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軍用の背嚢(はいのう)から進化したランドセル

2017.05.16 (Tue)

昔のランドセル

 小学校に入学するお子様のご両親も、ご自身が小学生だったころ、ランドセルを使っていましたよね。日本の小学生が当たり前のように使用するランドセル。一体いつごろから使われていたのでしょう?

 

150年以上の歴史を持つランドセル

ランドセルのはじまりは幕末

 ランドセルの始まりは幕末にまでさかのぼります。幕末に欧米列強の脅威に直面した我が国は、これまでの関係からオランダに協力を仰いで軍の近代化に取り組むことになりました。このときに陸軍の装備として導入した背負うタイプの布製の鞄、背嚢(はいのう)のことをオランダ語でransel(ランセル)と言ってたことがランドセルの語源です。

 

学習院型ランドセルの誕生は明治中期

キッズアミ学習院型ランドセルコードバン

【画像の引用元:KIDS AMI

 現在人気のランドセルの多くは、「学習院型」と呼ばれるものです。このランドセルが誕生するきっかけは明治の中期。明治10(1877)年に開校した学習院は、明治18年に背負うことで両手がふさがることなく使えることから背嚢タイプを指定鞄に採用しました。

 その翌々年(明治20年)に学習院初等科に入学した皇太子の嘉仁親王(後の大正天皇)に、伊藤博文が献上した革製の箱型の背負い鞄が現在のランドセルの始まりとなっています。これにより、全かぶせ縦型のランドセルのことを今でも学習院型と呼びます。

 明治23年には色が黒に決定し、明治30年には縦一尺一寸、横一尺五分、マチ幅二寸五分として寸法や型が統一されて学習院型が完成し、以後120年にわたって使われています。

 

昭和30年代から全国に普及

 一般的には大正から昭和初期にかけて、都市部の男子を中心に学習院型が徐々に普及し始めました。素材は今と違い、戦前のランドセルのほとんどは豚革、戦時中はアザラシ革やサメ革が使われており、中にはブリキのランドセルや、物が不足していた終戦前後には紙のランドセルといったものもあったようです。

 今のランドセルにみられるようなかわいい模様や絵柄の入ったものは、昭和20年代頃から広がったとされます。しかし農村部では、昭和20年代頃まで風呂敷などで教科書を包んで持っていくことが多く、実際にランドセルが全国に普及し始めたのは、高度経済成長が始まった昭和30年代頃からです。

 当時のランドセルはサイズが小さい一方で、1600g以上と今のものの倍近くの重さがありました。

 人工皮革がランドセルに使われるようになったのは昭和60年代。今では天然皮革のランドセルより数量として多くなっていますね。

 黒や赤が中心だったカラーも、平成12(2000)年頃からピンク色や水色などが出てきて、カラーバリエーションも豊富になりました。

 金銭感覚が今とは大きく違ったため値段の比較は難しいですが、アンパンが1個1銭だった大正3(1914)年にはランドセルは1円50銭、鉛筆1本が20銭だった昭和20(1945)年には12円27銭、アンパン70円、大卒の初任給が8万9300円だった昭和40年には1万円でした。現在ランドセルの平均価格は4万円を超えています。このように考えると、随分安かったという印象を持ちませんか?

 

鞄としての機能も優秀なランドセル

 そもそもランドセルの機能はどうなの?と思われる方がいらっしゃると思います。現在、素材や加工技術は格段に進歩しています。軽量化が進み、重さは比較にならないくらい軽いです。

 もちろん、鞄としての機能も進歩しており、素材が軽くなったことで大きくすることができるので、収容力は昔のランドセルの比ではありません。

 

現在はA4フラットファイル対応が主流に

 最近では文部科学省の学習指導要領の改定に伴い、ランドセルにA4フラットファイルへの対応が求められるようになっています。これまでのA4クリアファイルは幅220mmですが、フラットファイルは幅230mmです。
クリアファイル対応だけのランドセル内にはすっきり収まりません。

 2016年頃から、ランドセルはこのフラットファイル対応サイズが多くなってきています。一方で、ランドセルが大きすぎると中で荷物が偏って危ないという意見も耳にします。しかし、前回の学習指導要領の改定により小学校6年間で使用する教材は、1000ページ分も増えています。

 今後さらに改定があった場合にも、教材が減るということよりも増えるということが考えられ、ランドセルにはこれまで以上に高い収容力が求められていくのかもしれません。

 ランドセル内の教材の片寄りは入れ方次第で変わってくるので、お子様への負担を考慮しつつ、収容力の高いランドセルを検討してみてください。

 

鞄として優秀なランドセル

 ランドセルは鞄としての機能が他の鞄以上に優れています。そもそもランドセルは、お子様が重い教科書や教材を運んで通学するために開発された鞄です。そのため力学的にとても効率よく設計されています。

 ランドセルによっては、背負うお子様の肩の形に合わせて肩ベルトが立体的になっていたり、動きに合わせられる可動式になっていたりと、重心を安定させる工夫が凝らしてあります。吸湿性やクッション性に優れた背当てが付いているものは、背負い心地が良くて疲れにくく、汗をかいた場合にも不快感につながりません。

 こんな鞄って他にあるかな?と考えるとランドセルの凄さが分かるのではないでしょうか。お子様たちしか使わないのがもったいないと思えてきますよね!

 

大人向けのランドセルってあるの?

 ハリウッドのセレブ女優が愛用してたり、日本のアニメの影響でファンが使ったりと現実に外国で大人がランドセルを使っています。それでは、国内で大人が使えるランドセルはあるのでしょうか。

 実は今、大人用のランドセルが特に男性向けの新しいビジネスバッグとして注目されています。大人のビジネスバッグは、手さげタイプやショルダータイプが多いですよね?

 しかし例えば長時間外回りをしていると、こうした鞄では疲れてしまってどうしても背負いタイプの鞄が欲しくなるという方もいらっしゃると思います。そこで購入を検討してみると、ナイロン製のリュックサックタイプが多く、ビジネススーツに似合わないと感じることもあるのではないでしょうか。

 ビジネススーツに合う革の背負いタイプのビジネスバッグが欲しい!こんな大人の要望に応えて、最近は工房がおしゃれで実用的な大人用ランドセルを手掛けています。

 ヌメ革を素材としたものや、縦型だけでなく横型のもの、収容力が高くノートパソコンもしっかり入るものなど、デザインと機能に長けたものが出てきています。


 こうしてじっくりと見てみると、ランドセルは長い歴史を持ち、鞄としても非常に優れた機能を持っていることが分かりますよね?優れた機能性が見直されて、大人のビジネスバッグとして注目されてきたのがつい最近というのは、むしろ遅かったのではと思ってしまいます。

 海外では今や、大人がランドセルを使うことは日本と比べると当たり前になっています。今後は日本でもランドセルを背負った大人を街中で見かける機会が増えてくるかもしれませんね!子供も大人も使えるタイプもありますし、お父さんとお子様が同じランドセルを背負って家を出る、そんな光景を目にする日も近いかもしれません。

 

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